来週の東京株式市場
世界的にインフレへの警戒感がくすぶるため楽観はできないものの、大口主体による継続的な売りに一巡感が出始めています。
投資信託や年金など国内投資主体の売りが止まってきています。
東証の投資部門別売買状況によれば、信託銀行が4月に買い越し傾向に転じたことに続き、投信も5月第2週(10-14日)は現物ベースで買い越していました。
東証1部の新安値銘柄数は5月13日(433)をピークに減少しており、19日には新高値銘柄数が逆転しました。
これは多くの銘柄が体勢を立て直し、出直りのチャンスをうかがい始めた状況を示しています。
消化不良の直近の決算発表を、改めて評価する動きもあります。
日本株が世界相対で極端に弱くなる状況からは潮目が変わったように思います。
ファンダメンタルズの面では国内で新型コロナウイルスワクチンの大規模接種がスタートし、緊急事態宣言の解除への期待が高まってきたことは追い風になっています。
予約システムをめぐる混乱が伝わっているものの、接種率が高まると景況感の改善につながるとみられ株価にはプラス要因です。
スケジュール面では、国内で28日に4月失業率・有効求人倍率などが発表され、海外では25日に独5月Ifo景況感指数、27日に米1-3月期GDP改定値などが発表されます。
21日の日経平均株価は大幅続伸し、2万8317円(前日比219円高)引けました。
朝方は、米長期金利の低下などを背景に20日の米国株式が反発した流れを受け、買いが先行しました。
時間外取引で米株価指数先物が高く、イスラエル政府とイスラム組織ハマスとの停戦合意による中東の地政学リスク後退も好感され、上げ幅は一時300円を超えました。
一巡後はいったん上げ幅を縮小しましたが、後場入り後は持ち直し、大引けにかけて2万8300円台で推移しました。
国内には手掛かり材料がなく、日経平均はまだ(11-13日の)大幅下落後の半値戻しにあたる2万8500円程度を達成できず、しばらく日柄調整が続きそうですが来週(24-28日)の東京株式市場は、底堅い展開になると思います。