日経平均株価は5日続伸しました。
下落して始まり週末要因もあり売られるかなと思いましたが後場から上昇しこの日の高値圏で取引を終了しました。
相場の強さを印象付けたのは海外投資家の買いです。
政府が打ち出した補正予算案が空前の規模になっていることで出遅れていた海外投資家も財政拡張による株価押し上げ効果を見逃せなくなっています。
期待先行が強いですが財政相場に乗り遅れないようにしようという動きが大きくなっています。
海外勢が大きく注目しているのは政府が5月末にかけて打ち出した2020年度補正予算案です。
事業規模は第一次、第二次の合計で200兆円を超えるものです。
一般会計の追加歳出額は57兆円と、リーマン危機後の2009年に出された経済対策規模の約4倍になります。
また新型コロナウイルスの感染抑止で日本が相対的にうまく対応しており、世界の中で経済の回復が比較的早いと海外投資家の多くは見ているようです。
5日の市場ではこれまで軟調だった金融株の一角にも買いが入りみずほFG(8411)は
3ヵ月ぶりの高値をつけました。
政府が第二次補正に盛り込んだ金融機能強化法に基づく公的資金注入枠の拡大方針に対する期待だと思われます。
海外投資家は5月29日までの1週間に日本株を買い越しその規模は現物と先物の合計で約4ヶ月ぶりの大きさとなりました。
二番底相場を見込んで空売りしていた投資家があわてて買戻しているほかに中長期で運用する投資家の資金も入ってきています。
日本株は少子高齢化をはじめとする構造問題抱えているため海外投資家の投資対象から距離をおかれることもしばしばありました。
しかし過去を振り返ると、危機対応の財政、金融政策の発動を機に一転して注目を浴びる時があります。
2003年には金融不安を払拭するためりそなグループに公的資金を注入して実質国有化しました。
これを機に日経平均は1年後に30%高となりました。
2012年末に発足した第二次安倍内閣は日銀と協力して脱デフレ政策を推進し株価は1年間で60%の大幅上昇になりました。
コロナ渦の今回も補正予算案を再決した4月20日からこれまでの株価上昇率は16%にのぼり政策に売りなしの状況です。
政策をテーマとする買いには限界があり政策実行による景気回復が実現できるかが大きな問題です。
株式市場には強気相場は「懐疑の中で育つ」という格言があり政府が危機対応で実効性を上げて懸念を払拭できれば基調高が続くと思います。