続けられる株式投資

株を始める方が長く続けられるような投資方法の紹介

株価の行方(原油価格)

株価が低迷しているのはコロナウイルスの影響で経済活動が止まっているからでしょうか。

恐らくそれが一番の要因ですが、原油の下落もとても大きな要因です。

原油価格が下落している原因は新型コロナウイルス需要と供給のバランス崩壊です。
新型コロナウイルスで世界各国での石油消費量が減少したことにより、それと比例して原油価格も下落しています。

原油価格の下落

2020年1月時点では1バレル60ドルだったのに対して、そこから約2カ月程で1バレル20ドルにまで急落し2020年4月21日午前4時頃、ニューヨークの取引市場で市場初となる、WTI原油価格1バレル0ドル、そしてマイナス値(マイナス1ドル)を記録しました。

アメリカのニューヨークマーカンタイル取引所(NYMEX)に、アメリカのテキサスやニューヨーク地方で産出される原油購入権の先物取引市場があり、そこの取引価格が、『WTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)』という原油価格指標となっています。
WTIは単位が1バレルなので、原油1バレルあたりが0ドルという値段になったという事です。
1バレルは約159Lですので、159リットルもの原油がタダ同然、それどころかマイナス1ドルなので、原油を引き取るとお金が貰える状態になってしまったわけです。

 

今回の騒動は、コロナウイルスの影響で原油の使用量が極端に減ったことで原油余りの状態を受けて、アメリカの原油保管タンクがパンク寸前になったことが原因です。

タンクがパンクしたら、海の上で原油タンカーなどで管理するしかなく、これはコストが掛かるために、権利を押し付けあった結果と言われています。
決済日までに購入権を手放さないと強制的に追加の原油が届いてしまう状況のため、5月の現物渡しの締日当日に急いで原油の購入権を手放すため、大量の売り注文を出す企業が続出したという事が原因だったと思われます。

4月24日現在のWTI原油先物は17.19ドルと持ち直しました。

 

石油消費量(需要)が減ったのにも関わらず、原油生産量(供給)が増えているのも原油価格の暴落に関係しています

WTI原油先物価格の暴落で、世界経済にはどのような影響を与えるのでしょうか。
もちろん原油価格のみで経済が大きく変動することはありませんが、経済に大きな影響を与えることは事実です。
考えられるのはオイル関連企業の業績悪化、最悪は倒産です。
原油からガソリンやジェット燃料へと精製している会社や、それを保管する会社、街から街へと運搬・運送する会社や、ガソリンスタンドなどの販売店も、利益が出なくなれば倒産する可能性があります。
オイル関連企業へ出資している会社も、株価の暴落によって大きなダメージを受ける事になります。
また産油国から出資を受けていた会社も影響を受けます。
日本企業ではソフトバンクの設立したファンド会社が中東からの出資を受けていますが、出資が止まると新興企業への出資ができなくなります。
それにより新しいチャレンジをしたい企業が減っていき、ITやAIを中心とした新興産業全体が縮小していきます。

また、原油が売れなくなると一番困るのは産油国として経済を潤している中東諸国です。
最大の産業が停滞するわけですから、中東としてはまさに死活問題となります。
中東の国は石油産業で得た利益を株式や債券に投資していますので投資が減る以上に現金にかえるため株式や債券が売られてしまいます。

 

今回の原油価格崩壊は、世界の原油価格を牛耳る3つのグループの軋轢によって生じたとも言われています。

1.OPEC      サウジやイラクUAEといった原油産出国
2. OPEC非加盟国  ロシアやメキシコといったOPEC以外の原油産出国
3. アメリカ     シェールオイルシェールガスといった新世代エネルギー

それぞれに利害の対立した構造ですが、三つ巴の原油価格戦争が行われており、コロナの影響に端を発して、今回WTI取引価格暴落につながったと思われます。

新型コロナウイルスの感染拡大による世界的な景気の減速、都市のロックダウンによる生産活動の停止や人々の移動がなくなったことによる航空機需要の激減などで、今後もエネルギー需要の落ち込みは相当なものになると予想されている。これが長期的に相場の大きな重石となるのは避けられないだろう。

では鍵を握るのはどのグループでしょうか?

 

こうした状況下で大きな鍵を握るのは、OPECでもOPEC非加盟国でもなく、アメリカの動向だと思います。

サウジやロシアは現時点では価格下落を受け入れても、世界市場における生産シェアを広げることに重点を置いていると思います。
だが、需要が低迷している今の状況では、いくら価格を下げてもシェアを広げる余地は限られています。

サウジは一時期日量900万バレル台後半まで落ち込んだ生産量を、1200万バレルまで引き上げる意向を示していますが、それでも生産は約30%しか増加しないし、今の状況下ではそれを実現することが出来るだけの需要は存在しません。
それよりも大幅な減産で合意し価格を大幅に引き上げる方が、石油収入も増加することになります。

日量1000万バレルの減産は、現在の世界全体の生産量の約10%に相当しますが、それによって価格を1.5倍以上に引き上げることも可能です。

現時点では減産で合意するのが産油国にとってベストの選択肢なのは明らかです。


にもかかわらず、産油国がなかなか減産でまとまることが出来ないのは、今やサウジやロシアよりも生産量が多くなっているアメリカが減産に応じないことが背景にあります。

今回もトランプ大統領が減産を呼び掛けたにもかかわらず、アメリカ政府は「民間に生産削減を命令する権限はない」との立場を示しており、減産には消極的でした。

一方でサウジアラビアやロシアは、アメリカやカナダ、メキシコやブラジルなども参加することを減産合意の前提としており、両者の溝は簡単には埋まりそうにありません。
もちろん世界最大の産油国となったアメリカも、価格下落の影響は免れることはできません。

1日には中堅どころのシェールオイル業者のホワイティング・ペトロリアムが米連邦破産法11条の適用を申請、経営破綻しています。

今後も破綻が相次げば、信用収縮が進んでいる社債市場、特にハイイールド債市場の信用不安につながる恐れは高く、それがさらなる株価の急落をもたらすことも十分にあり得ます。

トランプ大統領もこうした事態を重くみて、3日にはアメリカの石油大手企業のトップとの会合を行いましたが、自主的な減産を要請するのかと思いきや、出てきたのは必要ならば関税を賦課しても国内の石油企業を保護するという方針でした。

これでは他の産油国の反発を招き、減産合意をさらに難しくさせることになります。
また今回のシェール業者の破綻も、すぐに生産減少につながるわけではなく、破産法が適用されれば、債権者の権益を少しでも確保するため、逆に生産を能力一杯にまで引き上げ、石油収入を得ようとする可能性もあります。
サウジやロシアはもともとアメリカの減産には期待しておらず、今回の増産方針も自分たちよりも生産コストの高いシェールオイル業者を採算割れに追い込み、破綻させるのが主な目的だったと言っても過言ではありません。
恐らくサウジアラビアやロシアはアメリカのシェール業者が破綻し、生産が大幅に落ち込んだのを確認してから、一転して大幅な減産の方向に方針を切り替え、一気に価格を押し上げる可能性が高いと思われます。

だが、今回トランプ大統領からの両国への働きかけがあったので、ひとまずそれに乗っかった可能性が高いです。
アメリカが減産に参加するのであれば、それに越したことはないし、結局生産を減らさないというのであれば、計画を粛々と進めるだけの話だというわけです。

いずれにせよ、アメリカの生産が大幅に減少し始めたあたりが、当面の底値になることに変わりはないと思われます。

コロナの終息が一番の株価の上昇材料ですが、原油が持ち直せば資源価格もあがり株価全体の上昇に大きく寄与します。