概況
日経平均株価は前週末比304円46銭安の1万9084円97銭と大幅に反落しました。
朝方は、新型コロナウイルスの感染拡大を背景に27日の欧米株式が大幅に下落した流れを受け、リスク回避の売りが先行しました。
円高も重しで、3月期末配当落ち分(約180円)の影響も下押し要因となり、一時1万8578円20銭(前週末比811円23銭安)まで値を崩しました。
国内での感染者増加、景気悪化への懸念も売りにつながりました。
一巡後は、大引けにかけて下げ幅縮小の流れとなりました。
日銀のETF(上場投資信託)買い期待とともに、時間外の米株価指数先物が切り返し、支えとなりました。
東証1部の出来高は19億2444万株、売買代金は3兆1480億円、騰落銘柄数は値上がり492銘柄、値下がり1620銘柄、変わらず34銘柄でした。
日銀のETF買い観測や、時間外の米株先物の持ち直しが下げ渋りにつながりましたが、米国では新型コロナ感染者数がすでに世界最多となり、日本でも感染者が増え続け、緊急事態宣言に向けて推移しており、先行きは明るくありません。
JASDAQ平均は大幅反落
JASDAQ市場は、JASDAQ平均、JASDAQ-TOP20、J-Stock Indexはいずれも反落して引けました。
値上がり銘柄数は140(スタンダード129、グロース11)、値下り銘柄数は488(スタンダード466、グロース22)、変わらずが33(スタンダード30、グロース3)とほぼ全面安となりました。
本日のJASDAQ市場は、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大に伴う景気の大幅減速に対する警戒感が広がる中、日経平均が一時前週末比800円超急落するなどリスク回避の動きが強まったことで、個人投資家のマインドも大きく悪化し、主力銘柄中心に幅広い銘柄に売りが波及しました。
ただ、政府が国内メーカーに対し、人工呼吸器の増産を要請する方針を明らかにしたと各メディアが報道したことなどから、フクダ電子<6960>、星医療<7634>といった新型コロナウイルス関連銘柄には個人投資家など目先筋の短期資金が流入していました。
明日の株価
日経平均は前場には800円超下げる場面がありましたが、引けでは304円安にとどまりました。
配当落ちの影響が180円程度あるので、押し目での買い意欲がかなり強かったと思われます。
明日は10時に中国の3月製造業PMIが発表予定、市場では2月の落ち込みが大きかった反動で、3月は好内容が確認できるとの見方が多いようです。
中国の指標が良かったとしても、現状ではすぐにアメリカや日本で経済活動が正常化されるわけではないが、グローバル株式市場がいったん今回の新型コロナウイルスに関する弱材料を織り込んだかどうかを確認する意味では、あすの指標および結果を受けた反応は大きく注目されます。
日経平均が2万円に向けて騰勢を強めるような動きが見られれば、この先は売りも出しづらくなるため、3月19日の16358円で底を打った可能性が高まります。
一方、他市場に比べてマシと思われている中国指標が売り材料となるようなら、今週は米国でも指標の発表が多いため、直近安値を割り込む展開が考えられます。
日本でも明日は2月の失業率、有効求人倍率、鉱工業生産などが寄り前に発表されます。
平時に比べるとこれらの反応が強めに出ると考えられるため、10時より前の株価動向に注意が必要です。
今日の取引き
ユナイテッド・アーバン(8960) 100200円 1株買い 102600円 1株売却
イオンリート(3292) 102900円 1株売却
今日の確定利益は2600円でした。