概況
日経平均株価は、前日比229円06銭高の2万1329円12銭と大幅続伸して取引を終了しました。
朝方は、昨日のしっかりした動きや、現地4日の米国株式が大幅に続伸したこともあり買いが先行しました。
寄り付きの時点の同299円81銭高の2万1399円87銭が高値となりました。
その後は、上値が重い展開が続きましたが、中国・上海総合指数が上げ幅を拡大し、時間外取引での米株価指数先物は下げ幅を縮小したこともあり、上げ幅を取り戻す格好となりました。
東証1部の出来高は13億8384万株、売買代金は2兆5255億円、騰落銘柄数は値上がり1115銘柄、値下がり943銘柄、変わらず105銘柄だった。
新型肺炎の影響を受けた1-3月期の企業業績への警戒感から、積極的には手掛けづらい状況にあり、停滞商状が継続する可能性が高い状況です。
株価見通し
世界的に株安のパニック商状は落ち着きつつあります。
オーストラリア中央銀行が利下げを実施し、G7電話会議を経て米FOMCが緊急利下げを行ないました。
続いてカナダ中銀も米国並みの大幅利下げを実施しています。
日本や欧州は利下げの一手は使いにくいものの、株式市場は恩恵にあずかっているように思われます。
各国金融当局の対応の違いに注目が必要です。
米国やカナダ、オーストラリアなどは金利水準が比較的高いことで、今後の追加利下げの余地がまだ残されています。
しかし日本や欧州はマイナス金利領域とあって、その副作用への警戒感から一段のマイナス金利深堀りには手を出しにくい状況です。
金利差動向の点に着目すれば、円買いやユーロ買いの圧力が出やすい傾向にあります。
景気刺激策の効果はどうでしょうか。
当然、金融緩和を進めたほうが良いわけで、金利を考えると米国やカナダの方が有効策を持っていることになります。
英国では英中銀の利下げ観測に加えて、ジョンソン政権の積極的な財政出動への期待もできます。
日欧とは株式市場の回復度に差が出そうで、景気回復期待の差が、ドルやポンドなどの下支えとなる可能性があります。
本質的には、新型コロナウイルスの感染拡大のインパクトが各国でどの程度の差を持つのかといった点がもっとも注目されます。
イタリアでは、韓国、イラン、日本などとともにウイルスの拡散が進んでいるのですが、ここにきてようやく学校の休校措置が発表されました。
後手に回っているとの印象は否めず、ユーロ売り圧力となる可能性があります。
新型コロナウイルスの感染対策は株価動向に大きな影響があります。
この後の海外市場で発表される経済指標は、南アフリカSACCI景況感指数(2月)、米新規失業保険申請件数(29日までの週)、米非農業部門労働生産性 確報値(第4四半期)、米製造業新規受注(1月)、米耐久財受注・確報値(1月)などです。
米国の生産関連の指標が注目され、事前予想では、製造業新規受注は前月比-0.1%、耐久財受注確報値は前月比-0.2%となっています。
発言・イベント関連では、ホールデン英中銀委員、カーニー英中銀総裁、ポロズ加中銀総裁などの講演が予定されています。
今日の取引き
アル―(7043) 667円 100株買い