概況
新型肺炎の拡大を警戒した売りが先行しましたが、日銀総裁談話をきっかけに買い戻しが優勢になり、切り返しました。
中国株の上昇も支援材料になりました。
日経平均株価は前営業日比201円12銭高の2万1344円08銭、東証株価指数(TOPIX)は15.00ポイント高の1525.87と、いずれも6営業日ぶりに大きく反発しました。
銘柄の88%が値上がりし、値下がりは11%、出来高は20億3515万株、売買代金は3兆5219億円と大商いでした。
業種別株価指数(全33業種)では、サービス業、水産・農林業、小売業の上昇が目立ちましたが、保険業、電気・ガス業、鉄鋼などは下落しました。
下げ相場が続いた反動で買い戻しが膨らみました。
朝方は新型肺炎の拡大を警戒した売りが先行し、日経平均株価は前営業日と比べ300円超下落しましたが、その後日銀総裁が潤沢な資金供給と金融市場の安定確保に努めていくとの談話を公表し、5000億円の臨時の資金供給を行うことで、新型肺炎の拡大に対応する日銀の姿勢が評価され、上げ幅は450円まで広がりました。
中国政府による経済対策への期待から、上海株が堅調となったことや、米国の利下げへの期待感もあり、押し目買いを誘いました。
ただ、新型肺炎拡大を警戒した売りは止まらず、上値は重い展開になり日経平均の上昇幅は200円程度にまで縮小して取引を終えました。
日銀のETF買い入れ
日銀は2日の東京株式市場で通常のETF(上場投資信託)を買い入れました。
前場のTOPIX<.TOPX>は前日比1.11%高となっており、TOPIXが上昇する中での買い入れは異例です。
前回28日は703億円の買い入れを実施しているが、一部の関係者からは2日はそれ以上の買い入れがあったのではないかと考えられています。
いずれにしろ日銀が株価を買い支えようという動きが本格化しています。
上海総合3.2%高で反発
週明け2日の中国本土市場は大幅に値上がりました。
主要指標の上海総合指数は、前営業日比90.63ポイント高(+3.15%)の2970.93ポイントと急反発しました(上海A株指数は3.15%高の3113.33ポイント)。
中国の経済対策に期待感が広がる流れになっています。
週末に公表された2月の製造業PMI(国家統計局などが集計)が予想以上に悪化し、過去最低を記録するなか、中国当局は経済成長率の目標を達成するため、財政支出の拡大など追加の景気下支え策を速やかに打ち出すとの見方が強まっています。
新型コロナウイルスを巡り、中国各地で警戒レベル引き下げが相次いでいる点もプラスです。
主要企業の生産能力が回復しつつある点を踏まえ、経済活動の正常化も見込まれています。
上海総合指数は先週末に急落し、約3週ぶりの安値を付けただけに、下値を拾う買いも活発化してきました。
今日の取引き
アル―(7043) 769円9 100株売却 (ストップ高)
今日の確定利益 1000円