概況
日経平均株価は前日比92円41銭安の2万3386円74銭と3日ぶりに反落しました。
朝方から売りが先行し、新型肺炎リスクへの警戒感から20日の米国株式が下落した流れを受け、いったん値を下げました。
その後、円安・ドル高を支えに上げに転じ、一時2万3588円55銭(前日比109円40銭高)まで上昇しましたが、一巡後は円安一服もあって前日終値近辺でもみ合う場面が目立ちました。
その後は株価指数先物売りを交えて再び軟化し、大引け近くには2万3378円33銭(同100円82銭安)まで下押しました。
時間外取引で米株価指数先物が軟調に推移し、重しとなった面が大きいと思います。
東証1部の出来高は11億5539万株、売買代金は2兆968億円、騰落銘柄数は値上がり946銘柄、値下がり1094銘柄、変わらず120銘柄でした。
買い戻しが入っても先物売りが抑える格好でしたで、足元の円安は、国内景気に対する不透明感の表れであり、素直に好感できず、起因となる新型肺炎が収束するまでは、軟調な相場は変わらないと思われます。
新型肺炎の影響
中国・武漢を発生源とする新型コロナウイルス(COVID-19)の拡大が止まりません。
メディアでは連日のようにダイヤモンド・プリンセス号における乗客たちの感染判明を伝え、また、日本全国で経路不明の感染者増を伝えています。
当初は影響も楽観視されていたためか、その反動として世界中の人々はいま恐怖に震えています。
感染したら多くは重症にいたらないとはいうものの、2%程度とされる致死率は決して低いとはいえず、特効薬も存在しないため、人々は不要不急の用事を避けるようになり、不特定多数の参加者が集まるイベントは、自主的に延期・キャンセルされているのが現状です。
移動や集会が制限され、部材も入ってこないためそれは産業界にも波及しています。
今週から新幹線に乗れなくなり仕事のキャンセルが相次いだり、海外の複数国から、日本人の出張者の自粛を呼び掛けています。
移動だけではなく、中国からの部材も滞っています。
企業活動は、人々の行き来と、世界的につながったサプライチェーンとを前提としているので、血流が止まったようなものです。
米中経済戦争といわれていますが、中国には各国から無数の材料が運び込まれ、それを組み立て加工(アッセンブリー)して輸出していました。
各国の出口戦略の場所として使われてきたので、その出口が閉鎖されている以上、絶望的な状況が起こっています。
インバウンドの影響のある百貨店を中心とした小売業から交通しいてはメーカーにまで大きな影響が出ています。
米国株の好調から日本株を先物で買っていた外国人が売りに転じているので当面は上がる見込みは低いと思います。
今日の取引き
LIFULL(2120) 487円 100株買い
ラウンドワン(4680) 956円 100株売却