昨日の日経新聞に面白い記事が載っていました。
日米欧 企業 金余り 借金は政府に偏在
家計が貯めたお金を銀行に預けてそれを企業が銀行から借りて工場などに設備投資して経済を拡大させていく。
高度経済成長期にはよく見られました。
国の経済は企業、家計、政府、海外の4つに分かれます。
お金の流れをみる統計では企業は借金で収入以上にお金を使う資金不足の主体でした。
逆に家計は将来のために収入の一部を貯蓄する資金余剰の状態が一般的です。
この流れが大きく変わってきたのは1990年代後半に起きた金融危機です。
企業は投資を抑えて借金を減らしお金を貯めこむようになりました。
米国や欧州も2008年のリーマン危機で同様の動きになっています。
背景には産業構造の大きな変化があります。
日米欧経済では製造業の拠点が新興国に移りデジタル産業などが成長の軸を担うようになりつつあります。
そのため製造業のような巨額の設備投資が減少しています。
家計では余剰資金の積み上げが多くなり高齢化と長寿化を背景に老後の不安が大きく長く働きお金を貯め続ける人が増えています。
この余った資金を一手に借り受けるのが政府になります。
日米欧では過去30年の政府の資金不足が累計で37兆$に達して企業と家計の余剰資金の34兆$を吸い上げました。
このような状況で世界株は最高値まであと1%余りにせまっています。
超低金利低で緩和マネーが株式を中心とする資産に流入しています。
今は銀行に預けてもほとんど金利がつかない。
一方で株式は三菱や三井住友のメガバンク、伊藤忠、丸紅、住友商事といった大手商社
キャノンやJTとほぼ倒産する確率の低い大企業の配当利回りは4%以上です。
株価が下がる、減配されるリスクはありますが現状では株式にお金が集まるのは否めない事実です。
ただ米中の貿易問題、イランやシリアなどの地政学リスクは絶えず注視しましょう。